一般的な鼻整形の失敗で挙げられる例とその対処法について
皆さまは「鼻整形の失敗」と聞くとどのような鼻を想像されるでしょうか。
きっとこれを読んで下さっている方は、いわゆる「いかにも整形しました!」という不自然な鼻は嫌ですよね。しかし、他にも失敗例と呼ばれるものはあります。
そこで今回は、皆さまに鼻整形でよく聞く失敗例とその対処法をできるだけ難しい言葉を使わないように分かりやすく説明いたします。
「いかにも整形しました!」と思われる不自然な鼻
「いかにも整形しました!」と思われる鼻の特徴は、例えば額と鼻根の高さが合っていないために起こるアバター鼻や適切ではないプロテーゼを鼻筋に使用すしたために、不自然に見える鼻などです。
「いかにも整形しました!」と思われる不自然な鼻の対処法
適切な施術内容で自然な仕上がりを希望すれば、不自然に思われる仕上がりになることはあまりないと思います。また、担当医師の美的センス、その方の理想をどこまで医師がヒアリングして追求できるかが重要になってきます。
私は、「ベクトラ」と呼ばれる3Dシミュレーションを使用して患者様の希望と実際の仕上がりに差異が出ないように術中も気をつけております。
不自然な仕上がりにならないための秘訣として、これからカウンセリングへ行かれる方は希望を伝える時にあまり変化を求めすぎない方がいいかもしれません。
ピンチドノーズ(pinched nose, ピンチノーズ)の鼻
ピンチドノーズの特徴は、洗濯バサミで鼻先をつままれたようなイメージで不自然に鼻先が細くなりすぎてしまった形です。
原因は、鼻先を尖らせすぎてしまって負荷がかかり、尾翼との境界が目立っているためです。
ピンチドノーズ(ピンチノーズ)の対処法
ピンチドノーズ(ピンチノーズ)を防ぐためのポイントは5つあります。
- 軟骨を移植する位置や方向を適切にする
- 過度な鼻先の縫合を避ける
- 鼻骨と鼻尖、小鼻の幅のバランスを考慮する
- 大鼻翼軟骨に対し過度に細工を加えないようにする
例えば、不必要に大尾翼軟骨を切断すると変形が起こりやすくなります - 鼻尖の横(alar grooveと呼ばれる部位)に凹みが生じてしまった場合はその部分に軟骨等の組織を移植する
といった以上5点のポイントがあります。
正面から見た時に鼻の穴が三角形に見える
医学用語を用いると鼻孔縁のnotchingと呼ばれる変形です。
こちらの主な原因は術後の拘縮・ひきつれによるものです。
正面から見た時に鼻の穴が三角形に見えないようにする対処法
まずこうならないようにするためには、粘膜を切る場所を適切にすることが大事です。鼻の穴の出口付近を切ってしまうとこのような変形を起こしやすいと言われています。
また、鼻の傷を縫う時にも変形を起こさないように適度な強さで縫合することも重要な対処法です。
手術中に鼻の穴を形成する壁に不安定性が生じると判断した場合にはそこに耳介もしくは鼻中隔軟骨を挿入することで防ぐことも可能です。
矢印鼻
矢印鼻とは側面から見たときに一般的な鼻よりも人中との角度が狭く、特に笑ったときに鼻が更に長く見えてしまうことを指します。 また、正面から見たときに人中を覆う程度に鼻先が伸びているのも特徴です。
矢印鼻に見えないようにする対処法
矢印鼻が生じる主な原因は不適切な鼻中隔の延長です。鼻中隔延長後の鼻は笑った時にあまり動かないので特に笑った時に目立つリスクが高くなります。
笑った時のことも意識して過度な鼻中隔延長を行わないことで防ぐことができます。
プロテーゼの輪郭が見える
プロテーゼ挿入により不自然に見える鼻の特徴は、鼻筋が太すぎたり、逆に遅すぎたり、鼻根・鼻筋の高さの釣り合いがとれていなかったり、見てわかるほどプロテーゼが浮いている状態等です。
不自然にプロテーゼが挿入された鼻にならないための対処法
こちらの対処法は、そもそも患者様ひとりひとりの鼻の形や顔立ちにあったプロテーゼを選択・作成し、しっかり安定性を出すために骨膜と呼ばれる組織の下にプロテーゼを挿入することが重要です。
また、プロテーゼを勧められた場合、そもそも本当にプロテーゼの挿入が必要なのか色々な医師の意見を聞くようにしましょう。中には不必要にプロテーゼが挿入されて合併症に悩まれておられる方もおられます。
まとめ:失敗を防ぐには担当医師に希望を遠慮せずに言いましょう
今回、鼻整形で失敗したと思われるような鼻や、不自然と思われるような鼻にならないための具体的な方法について紹介させていただきました。
鼻整形について調べていると、”失敗”という言葉が出てきたりして不安になることもあるかもしれません。
失敗という言葉は主観的なものなので、鼻整形をしても思っていたほど綺麗になれなかったというだけのこともあるかもしれませんし、上記のような変形を起こしている場合もあるかもしれません。
結果に満足できるかどうかは術前のカウンセリングが重要になりますし、変形を起こさないかどうかは、担当する医師が変形を起こさないようにする工夫や方法を知っているかどうかが大切になります。