団子鼻を改善・治したい方は鼻尖形成術!
鼻の悩みというと、鼻の高さや大きさ、形などさまざまですが、日本人の傾向としてやはり多く悩んでいるのが団子鼻です。
女性はメイクのノーズシャドウなどをすることで、一時的に鼻先を小さく見せたり、鼻筋を通したような印象に見せることはできますが、限界がありますよね。
クリニックに受診される方の中でも「団子鼻を改善したい!」という患者様は非常に多いです。
団子鼻は鼻先が丸いので他の顔のパーツとのバランスを見たときに、「鼻の存在感が大きく見える」「横顔のEラインが整っていない」といった点に悩まれています。
団子鼻の特徴として、鼻の中央部分の幅が広く、上に厚みもあるため、パーツだけを見ると可愛らしくて優しい印象を与えることもありますが、鼻先が大きく見えるため、全体で見た時はメリハリのない顔の原因になってしまうこともあるのですよね。
はじめに結論を言ってしまうと「団子鼻を改善・治したい方は鼻尖形成がおすすめ」です!
しかし、初めての方や聞いたことはあるけれどよく分からない方も多いはずです。
そこでまずは鼻尖形成術って何?という疑問をご説明致します。
鼻尖形成術って何?
鼻尖とは鼻先部分を示す医学用語のことで鼻尖形成術とは鼻先部分を整える手術の総称です。
よく鼻尖形成と鼻尖縮小術は同じものと思っていらっしゃる方も多いですが、鼻尖形成の術式の中に鼻尖縮小術が含まれているというイメージですね。
さらに、鼻尖形成術は鼻の美容整形手術の中で最もバリエーションの多い手術の一つでもあります。
クリニックや外科医によっても採用している方法が全く違うこともあり、結果も大きく変わってきます。
たまに他のクリニックで鼻尖形成を受けてもほとんど変わらなかったといって相談に来られる患者様が多くいらっしゃいますが、本来は鼻尖形成は大きな変化を出すことが可能な手術です。
具体的に鼻尖縮小ってどんな手術をするの?
鼻先を細くする鼻尖縮小術は、鼻尖形成で最も一般的に行なわれている方法です。
ただ、鼻尖縮小だけ行っても変化が少ないことが多いです。その他の主な問題点は、元々の軟骨の形に仕上がりが依存してしまうことです。そのため、特に横から見た時の鼻先の形が美しくなくなることも珍しくありません。横からみた鼻先の丸みが悪化することすらあります。
また、縫合で軟骨の形を変えるだけなので皮膚の力に負けて後戻りなどの変形を起こすことも多いです。
そのため、鼻先を整えたい方は基本的には軟骨移植を併用した鼻尖形成術を検討されることをお勧めいたします。
ただ、”軟骨移植”と一言で言っても色々な方法がございますので軟骨移植をすれば必ず綺麗になったり、後戻りが起こらないというわけではございません。軟骨移植を併用した鼻尖形成術をどのように行うかが美しい鼻先を長期にわたって維持できるかどうかに大きく関わります。
一般的な軟骨移植を使用した鼻尖形成の方法
まず多くのクリニックで行われている”一般的な軟骨移植”の方法を紹介いたします。多くの先生が耳珠と呼ばれる部分の小さい軟骨を使用して以下のように鼻先に軟骨を挿入する方法をとっています。
こちらの方法でも一時的に鼻先に高さを作ることはできるかもしれません。
しかし、土台がもともと鼻先にある大鼻翼軟骨のみで構成されているため、皮膚の力に負け、高確率で後戻りが起こります。また同様の理由で大きな変化はなかなか得られません。
理想形を作りあげる鼻尖形成について
そうではなく下図のように、 耳介軟骨や鼻中隔軟骨等の軟骨をただ鼻先の上に載せるだけでなく、柱を立てることで土台をしっかりさせたりすることで後戻りのリスクを大きく下げることが可能になります。
まとめますと、鼻尖形成術の肝はまずは土台をしっかりさせることです。そして、様々な軟骨移植の方法を組み合わせることで、理想の形を作るのが本来の鼻尖形成術です。
クローズド法による団子鼻改善の症例写真
ちなみに以下の写真は、私が行ったクローズド法で鼻尖形成術を行った症例です。
この方は、ナチュラルな仕上がりを希望され、形を整えるのを主な目的とし、鼻先の高さはそれほど高くしないようにしています。
耳介軟骨移植、ストラット法の鼻尖形成術を行い、他にも鼻中隔延長術、鼻骨骨切り幅寄せ術、細片軟骨グルーグラフト移植を行っています。
一般的なリスクは、内出血、腫れ、感染、しびれ、左右差、後戻り、軟骨採取部位の傷跡といったものが挙げられます。
そもそも団子鼻改善はプチ整形でも治る?
それでも多くの皆さんが団子鼻を改善するために大掛かりな手術ではなく、できれば違う気軽な方法でどうにかなるのではないかと一度は考えると思います。
やはり、いきなり大掛かりな外科手術だとダウンタイムやリスク、費用面など・・・様々な懸念がありますよね。
切らないといった点で気軽なものだと脂肪溶解注射や糸、少しだけ切開するのが大丈夫な方はオステアポアという選択肢もあります。
それぞれについてあくまでも医学的な観点から効果は果たしてあるのかお伝え致します。
脂肪溶解注射で団子鼻はどこまで改善される?
気軽に団子鼻を改善するという選択肢でよく挙がるのは脂肪溶解注射です。
脂肪溶解注射は痛みもほぼなく、ダウンタイムもないので皆さん気軽に受ける方が多いと思います。
脂肪溶解注射には僅かな効果はあるだろうとされていますが、鼻は顎下や頬と比べても元々脂肪が少ない箇所なので理想の鼻を形成するということは正直難しいです。
変化が小さいだけでなく、不均一に溶解が起こると鼻先に凸凹が生じて悩まれる可能性もなくはないといったところなのです。
ちなみに世界中の論文を調べても脂肪溶解注射による鼻の形成の有用性を示すものはございませんでした。
糸やオステアポアで団子鼻は改善される?
もう少し勇気のある方は糸やオステアポアも検討される方もいると思います。
これらは術後固定をすることもないですし、ダウンタイムも2・3日で済むことがほとんどです。長い休みをとることができない方は、普段の休日に希望される方も多いものになります。
では、この2つについて説明させていただきます。
【糸による団子鼻改善の効果とリスクについて】
昨今、糸による鼻尖縮小は流行っていますよね。ダウンタイムも短いですし、抵抗感もなく気軽に試してみたい方も多かれ少なかれいらっしゃると思います。
正直、あまり満足度の高い施術ではないのです。理由としては効果が一時的なのと、鼻先を細くするとが摘ままれるように形が変化するので横から見た時の鼻先の丸みが悪化することが珍しくないからです。
また、私自身が日々鼻の手術をしていて思うことは、将来的に鼻の外科手術を検討する可能性が少しでもある方は、溶けない糸だけは入れない方がよいということです。
溶けない方が効果が持続して良いと思われがちですが、溶けない糸でも糸の張力は年々弱まって効果が落ちることがほとんどです。
それなのに糸だけ残っていて、感染等のリスクは残ります。また、将来的に手術を受ける場合には取り除かないといけなくなり、除去が大変なこともあるので慎重にご判断ください。
どうしても手術に抵抗があり、糸での鼻整形を受けられる方は、長期的な効果は期待せず溶ける糸での施術を選択されることをお勧めいたします。
【オステアポア(オステアポール)による団子鼻改善の効果とリスクについて】
こちらも気楽に受けられる団子鼻の改善方法のひとつとして知られています。
オステアポアとは3年程度で溶ける素材で作られたメッシュ状のボールのことです。
特徴として、形はドーム形状のものやボール状のものがあり、使用している素材は各国で承認済の医療用のものです。もともと主に脳神経外科領域で骨の欠損部を充填する等の目的に使われていたものです。
理論上、自分の組織がメッシュ内に入り込み、溶けた後も形態が維持されるとされています。ただし、鼻に用いた場合に長期的に形が保たれるかどうかは立証されていないものになります。
鼻の穴の中を小さく切開し、そこから挿入するだけなので、ダウンタイムも比較的短いです。
形に関しても術直後から鼻先が高く細くなることを実感できることが多いので、最近受けられる方は多いですね。
とはいえ、溶けるまでは”異物”として存在するので、元々鼻先にある大鼻翼軟骨が押しつぶされて変形したり、下から圧迫された皮膚が薄くなって輪郭が浮き出てしまう方も少なからずいらっしゃいます。
そうなってしまった場合、修正手術も困難で手術後に皮膚トラブルを起こした報告も少なからずあがっています。
2020年に発表された最新の論文でも術後3年程度までの経過しか追っておらず、4,5年後に形が保たれるかどうか、どんなトラブルがあるか等については論文上も報告されていません。(Yeungnam University Journal of Medicine 2020;37(1):32-39.)
ダウンタイムの短さや手軽さゆえ、検討されておられる方もいるかもしれませんが、将来的な安全性等に関しては医学的に実証されていないことは理解しておきましょう。
まとめ:永久に団子鼻を理想の形に変えるならやはり鼻尖形成術による鼻尖縮小!
ここまで、皆さまに「団子鼻を修正するための鼻尖形成」や「プチ整形で団子鼻を解消できるかどうか」について説明させていただきました。
どうしてもダウンタイムをとれない方は、 効果は期待できないかもしれませんが 上記で触れたような”プチ整形”に分類される方法でリスクの少ないものであれば試されてもよいかもしれません。
ただ、リスクの高い”プチ整形”を気楽に受けられることはお勧めいたしません。
長期にわたって理想の形にすることを望まれておられる場合は、軟骨移植によりしっかりとした土台を作り上げる本格的な鼻尖形成術を受けられることをお勧めいたします。