主に自家組織移植で使われる軟骨は3種類
鼻整形を検討されている皆さまの中には、なるべく異物ではなく自家組織で安全でかつ理想の鼻を手に入れたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筋膜や真皮、軟骨を砕いて細片軟骨にしたものを移植したり、あるいはその砕いた細片軟骨を筋膜で包んだものを移植することもあります。
自家組織を使うメリットとしては、異物を使うことでの感染症など合併症のリスクが下げられます。また、自家組織なのでアレルギーが心配な方も安心することができ、さらに移植したものはご自身の組織として定着するため形を永久に維持することができます。(多少の吸収はあります)
そこで今回は、軟骨を使って綺麗な鼻を形成するとき体のどの部分を採取して使っているのか皆さまにご説明したいと思います。
自家組織で手術をするなら採取部位は一体どこ?
採取する部位は、鼻中隔軟骨、耳介軟骨、肋軟骨の3つであり、上の図でいうとピンクで示された部分です。
鼻中隔軟骨、耳介軟骨、肋軟骨の特徴とメリット・デメリット
鼻中隔軟骨について
鼻中隔軟骨は、耳介軟骨と肋軟骨の中間程度の硬さで、基本的には耳介軟骨と鼻中隔軟骨の組み合わせで手術をすることが多いです。
鼻中隔軟骨のメリットは、「鼻以外に傷ができない」、「比較的まっすぐ」なこと、デメリットは「採取できる量が少ない」ことです。
耳介軟骨について
耳介軟骨は、採取が比較的容易で、柔らかく弾力性に富み、細工や加工がしやすいなどの特徴があり、自家組織移植法の材料としてよく使用します。
耳介軟骨のメリットは、「傷が目立ちにくい」、「ある程度の量の軟骨が手に入る」こと、デメリットは「元々湾曲している」ことです。まっすぐにする必要がある時は2枚重ねにして使用します。
鼻中隔軟骨と耳介軟骨に共通する点
鼻中隔軟骨と耳介軟骨に共通する点は、軟らかさや厚み、大きさに大きな個人差があるということです。これらを用いた場合、安全にかなり大きな変化を出せる方もいますし、逆にあまり変化を出せない方もいらっしゃいます。
肋軟骨について
肋軟骨は、採取に際して前胸部に切開創の傷が残ることなどや、他の軟骨移植よりはやや大掛かりな治療となります。
肋軟骨のメリットは、「かなりの量の軟骨が手に入る」といったことも挙げられます。大きい変化を希望している場合などは、十分量が採取できる肋軟骨を使用することも多いですね。
ただし、質感が硬いため衝撃によっては挿入した肋軟骨が折れることもあります。
そのため、数年後に曲がるリスクもあると考えると、担当医師は気をつけなければいけない軟骨でもあります。
肋軟骨移植による将来的な湾曲のリスクを減らす工夫とは
先程申しあげたように、肋軟骨は数年後に曲がるリスクもある特徴があります。
とは言っても、曲がるリスクは以下のような工夫によって下げることも可能です。
このように切り方を工夫することで肋軟骨が曲がるリスクかなり低くすることが出来るとされています。
このような新しい情報は日々発表されていくものなので私も常に新しい情報を収集するように心がけています。
結局鼻整形にはどの軟骨を使ったらいいの?
全てにメリット・デメリットがあるため、どの軟骨が絶対に良いという議論はできません。
ちなみにですが、私は術前に患者様がどのような理想の鼻にしたいかをシミュレーションを用いながら綿密に話し合い、最終的には術中に決めています。
その理由として、最初から患者様と「鼻中隔軟骨移植の鼻整形」などと決めてしまうと、採取した軟骨の量や質が思ったものと違う時があるからです。
ですから、私は術中にどの軟骨が理想の鼻にするのにいいのか臨機応変に見極めて理想の鼻を皆さまに提供することに努めています。
まとめ:カウンセリング時に自分がどの軟骨が適用なのかしっかり相談!
今回は、鼻整形で用いることができる軟骨の種類について説明させていただきました。
医師によって優先的に用いる軟骨は違うかもしれませんが、全てにメリット・デメリットがあるため、どの軟骨が絶対に良いという議論はできません。
特に、耳介軟骨と鼻中隔軟骨の性質は個人差がかなりあります。
どの軟骨を用いたらどれほどの変化を得られるか、理想形にするためにはどの軟骨を使用すべきかはカウンセリングをして初めてわかるものです。
カウンセリングを受けられた際はどの軟骨が適切なのか、またそれが適切な理由は何か聞くようにしましょう。
なかには自分が得意な方法のみを勧める医師や高額な施術を勧める医師もいるかもしれないので複数の医師の意見を聞くことも重要かもしれません。